抄録
銀塩写真材料は,高画質・高感度・低コストとういう目標に向けて着実に進化を重ね,材料としての性能を極限まで高めつつ今日に至っている.さらに,撮影の簡易化・自動化やラボ処理の生産性向上等を通じたインフラ整備により,写真撮影を一般大衆にとって身近なものにすることに成功した.近年,デジタル技術の台頭により様々な画像入出力機器が出現しているが,銀塩写真が築いてきたインフラやサービスはそのまま活用可能であり,銀塩写真開発で培われたノウハウは様々なデジタル機器に活用されている.銀塩写真で築かれた画像技術・サービスインフラは,デジタル技術と融合した更なる進化を継続し,今後も写真文化の発展に貢献し続けていく.