日本画像学会誌
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原著論文
電気泳動方式電子ペーパーに関する研究 (第2報) ―非イオン性界面活性剤による表示特性の改良―
中村 卓中村 佐紀子宮川 信一北村 孝司
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2011 年 50 巻 6 号 p. 508-513

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抄録
電気泳動表示素子に用いる正または負に帯電した白色粒子を,以下の2ステップ反応で作成した.1) 重合性二重結合または第4級アンモニウム塩を有するシランカップリング剤による,酸化チタン粒子の表面修飾,および2) シランカップリング処理を行った酸化チタン粒子表面の重合性二重結合を介する疎水性モノマーのグラフト重合による,酸化チタン粒子の樹脂被覆.これらの粒子を青染料を溶解したIsopar G中に分散し,透明電極を有する一対のガラス板の間に担持して表示素子を作成した.この素子の表示特性は,非イオン性界面活性剤であるソルビタン誘導体の添加により著しく改良され,その効果はHLB値の大きいものほど顕著であった.またこれらのソルビタン誘導体は,Isopar Gの導電率を著しく高めることから,HLB値の高いソルビタン誘導体は,Isopar G中でも白色粒子の有するイオン性基の解離を促進し,電気泳動を容易にすることで,表示特性を改良するものと推定している.
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© 2011 一般社団法人 日本画像学会
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