日本画像学会誌
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原著論文
トナー帯電に及ぼす外添CCAのコア粒子の影響
常見 宏一須賀 淳飯村 貴司小口 寿彦中村 一希小林 範久
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2012 年 51 巻 4 号 p. 348-353

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抄録

帯電制御剤 (CCA) として正帯電型の4級アンモニウム―スルホン酸塩,コア粒子にそれぞれ平均粒径110nmおよび12nmの疎水性シリカおよび平均粒径140nmの疎水性炭酸カルシウムを用いて外添CCAを作製した.スチレンアクリル樹脂のモデルトナーに外添CCAを1%添加し,またコア粒子へのCCAコート量を調整して,CCA添加量を変化させ,帯電量のCCA添加量依存性を検討した.
帯電量はCCA添加量の増加とともに劇的に増加し,110nmおよび140nmのコアにCCAを被覆した外添CCAではCCA濃度0.03µmol/g付近に,12nmのコアに被覆した外添CCAでは0.35mol/g付近に明瞭な変曲点が観測され,変曲点より高濃度域では帯電量は飽和した.
変曲点でのCCAのコアに対する被覆率はコア粒径よらず17-25%であった.被覆率25%程度での帯電量の飽和は,コア粒子からのCCAの剥離とキャリアへの付着,CCA分子間相互作用による帯電効率の低下などが考えられた.

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© 2012 一般社団法人 日本画像学会
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