日本画像学会誌
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Imaging Today
文化財未来継承プロジェクト (愛称:綴プロジェクト)
田辺 幸次
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2012 年 51 巻 6 号 p. 634-640

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抄録

2007年3月に独立行政法人東京国立博物館において記者発表を行い発足し,現在は6年目 (第6期) を迎えるキヤノン株式会社と京都文化協会が推進する「文化財未来継承プロジェクト」 (愛称:綴プロジェクト) について,その趣旨,目的,そしてプロジェクトにより生み出される高精細複製品を制作する技術,また高精細複製品が及ぼす社会への影響やその活用方法などを紹介.
綴プロジェクトとは主に安土桃山時代から江戸時代までに制作された日本の美術作品 (屏風や襖絵,掛け軸,巻物などに描かれた絵画) をキヤノン株式会社が持つ最新のデジタル技術と京都に古くから培われてきた伝統の技とを融合する事によりオリジナル文化財に限りなく近い高精細複製品として再現し,それら複製品を作品や作者ゆかりの地や,本来所蔵していた神社仏閣などへ寄贈.より多くの人に日本を代表する文化財に親しんでもらうために活動を行っている.
寄贈先での活用は現在多岐に渡り,それらの活用方法を紹介する事によりこのプロジェクトの社会的意義や重要性を追求する.

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© 2012 一般社団法人 日本画像学会
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