日本画像学会誌
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Imaging Today
電子写真記録メディアの歴史
加藤 勝
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2013 年 52 巻 2 号 p. 122-131

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抄録
電子写真用記録メディアの歴史について概説する.1962年にゼロックス914が国内で発売されたことから国内の環境に適した記録メディアの開発を開始した.'60年代に酸性抄紙により商品化された後,'84年に保存性から中性紙に転換した.'80年代後半からカラー · 複写機やカラー · プリンターが市場に投入され,用紙からは画質の向上,定着ロールからの剥離性,加熱カールの発生に対応した.
'90年代には電子写真方式のカラーPOD印刷機が発売され,即時性,可変印刷,小部数対応の印刷用途での市場開拓が進められている.POD市場に向けカラーPPC用紙では両面印字への対応技術を開発した.また定着でブリスターの発生しない塗工紙が開発された.同時期には液体トナーを利用するPOD印刷機も登場した.これは数ミクロンと薄いトナー層厚のためドットの再現性が向上してオフセット印刷に近い画質となった.
さらに最近の機器の向上に対応したメディアに関する技術も合わせて報告する.
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© 2013 一般社団法人 日本画像学会
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