日本画像学会誌
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Imaging Today
大型二次元文化財のデジタル化とその活用
中杉 高志池庄司 伸夫森岡 隆行
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2014 年 53 巻 4 号 p. 301-309

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抄録
貴重な文化財には「保存と公開」が求められている.この相反する要求に応えるため文化財のデジタル化が進められて来た.同時により高精細なデジタル化技術のニーズが高まって来ている.しかし文化財を高精細にデジタル化するには手間と時間がかかるため,これまであまり進んでいない状況にある.
本稿では,近年の大型二次元文化財の高精細デジタル化の一般的技術を解説するとともに,前記した課題を解決するために日立製作所が開発した,正確な形状と色を再現するカメラによるデジタル化方式の開発の背景,狙いおよび実現方法について解説する.文化財のデジタル化では,得られた高精細デジタル画像の有効活用が図られないとデジタル化のメリットも半減してしまう.本稿では多くの観客にデジタル化された文化財を楽しんでもらうことを目的に開発したデジタルミュージアムの実例についても解説する.最後に高精細デジタル化と活用について今後の課題と対応について述べる.
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© 2014 一般社団法人 日本画像学会
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