ジオクチルベンゾチエノベンゾチオフェン (C8―BTBT) を用いた塗布型有機電界効果トランジスタの電界効果移動度を300-10Kにおいて測定した.電界効果移動度は温度の低下に伴って活性化エネルギーが小さくなった.100K以下の低温領域では,エネルギーの等しい局在準位間のホッピング輸送に依存することをこの実験結果は示唆していた.そこで数値計算では,Arkhipovらによって提案されている輸送エネルギーを考慮したホッピング輸送モデル [V.I. Arkhipov, et al., Appl. Phys. Lett. 82 (2003) 3245] を用いて移動度の温度依存性の数値計算を行った.計算で得られた結果は実験結果と良い一致を得ることができた.