日本画像学会誌
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解説
有色性駆動源カルマンフィルタに基づく劣化画像復元手法
田邉 造古川 利博
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2014 年 53 巻 5 号 p. 398-403

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抄録
本論文は,有色性駆動源カルマンフィルタを用いた劣化画像復元手法を提案する.提案手法のアルゴリズムは,(i)復元する注目画素とその画素に隣接する周辺画素からなる状態方程式,および(ii)その原画像とぼけさらには雑音からなる観測方程式より構成される有色性駆動源を含む状態空間モデルに,有色性駆動源カルマンフィルタを用いることで,原画像がぼけと雑音によって劣化された劣化画像のみから原画像を復元している.提案手法の特徴は,従来のカルマンフィルタを用いた劣化画像復元手法に必要であった自己回帰システムのコンセプトを用いずに,カルマンフィルタのみで高性能な劣化画像復元を可能としていることである.提案手法の有効性は,視覚評価·主観評価·客観評価および処理速度評価を用いて明らかにしている.
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© 2014 一般社団法人 日本画像学会
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