2016 年 55 巻 3 号 p. 341-347
近年の安全·安心に対する意識の高まりに伴い,監視カメラの設置台数は増え続け,監視システム利用の重要性が増している.しかし,映像の確認は主に人手で行われており,膨大な作業が必要とされていた.そのため映像認識技術を活用して監視カメラ映像を自動的に解析する研究が盛んになり,実用化されるようになってきた.これに伴い,監視カメラの映像を防犯目的だけでなく,市場調査や顧客行動パターンの解析に利用しようとする動きも出てきた.本稿では,監視カメラ映像を利用するユースケースについて概観し,人物の認識を中心にそれを実現するための映像認識技術,および,その動向について述べる.また,関連する筆者らの取り組みについても紹介する.