新聞は,大量生産品の中の代表的なものの一つです.短時間のうちに大量に印刷することができる新聞用オフセット輪転印刷機を使用して,印刷されています.インターネット通信やタブレット,スマホといった通信機器の普及により,新聞の発行部数は減少し続けています.日本新聞協会の集計によれば,2005年に5,256万部あった新聞発行部数が,2015年では,4,424万部と800万部も減少しています1).この発行部数の減少は,海外でも同様な状況となっています.このような部数減のなか,オフセット印刷機で大量に印刷するよりも,ランニングコストを下げて少部数印刷できるデジタル印刷へ移行しようという動きが海外では進んできています.本稿では,デジタル印刷機を使用して新聞を印刷する技術と今後の見通しについて紹介します.