2017 年 56 巻 3 号 p. 269-276
高い環境性能,つまり地球温暖化防止や低炭素社会の実現に貢献する重要な要因の一つとして,画像形成のためのドラムユニットの長寿命化を挙げられる.ドラムユニットの長寿命化·高信頼化を達成するためには,感光体,クリーニングブレード,帯電ロールを合わせて長寿命化することが必要であり,どれ一つが欠けてもドラムユニットの長寿命化を達成することはできない.このうち感光体の寿命が比較的短く,寿命は摩耗現象に強く支配されており,摩耗に関わるクリーニングプロセスの物理現象を解明することが極めて重要となる.また感光体の磨耗状態を知ることが,ドラムユニットの適切な寿命判断に繋がる.本稿では,ゼログラフィドラムユニットの長寿命化に繋がるキー技術である二層構成のクリーニングブレードと,感光体の膜厚検知技術について,詳細に解説する.