2017 年 56 巻 3 号 p. 277-281
富士フイルムでは,商業印刷の小ロット化に対応できるB2サイズの高速高画質の枚葉インクジェット印刷機「Jet Press 720」を2011年に商品化した.2014年には,印字品質の安定化,ダウンタイム削減による生産性向上,生産機としての安定性·信頼性を高めた後継機となる,「Jet Press 720S」を開発し商品化した.その後も,今日まで,フルバリアブル印刷の実現,厚紙対応など着実に市場要望に答えてきている.
本稿では,Jet Press 720Sの技術開発を通じて獲得してきた,装置の安定性·信頼性に着目し,FujiFilm Dimatix社のインクジェットヘッドであるSAMBAヘッドを装置上で安定して使う技術の概要について述べる.