光沢紙写真プリントにおいて黒濃度や色再現は重要な画質項目である.従来からこれらの定量化手法としては,45°入射/0°受光で計測された分光反射率に基づく色空間 (CIEL*a*b*) や光学濃度 (OD) が用いられてきた.しかし観察環境によってはL*a*b*値と目視による黒濃度や色再現 (例えば彩度) の序列が一致せず,適切な評価が困難であった.そこで観察環境により変化する目視上の黒濃度や色再現と相関の高い定量化法について検討し,観察環境を考慮した新定量化評価手法を見出した.我々はこの新評価手法の適用により開発した新技術をimagePROGRAF PROシリーズに搭載することにより色再現領域の大幅な拡大と高い黒濃度を実現し,臨場感のある光沢紙写真プリント再現を可能とした.