日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
Print ISSN : 1344-4425
ISSN-L : 1344-4425
論文
標準キャリアを用いたトナー摩擦帯電列の共通座標化
多田 達也上原 利夫栄田 朗宏久保 貴史太田 英樹木村 正利鈴木 千秋小林 弘道沢山 昇星野 勝義星野 坦之原田 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 57 巻 3 号 p. 276-290

詳細
抄録

トナーの摩擦帯電能を帯電量測定装置によらない絶対値として評価するために,共通座標値が定義されたキャリア群の摩擦帯電列を定め,その摩擦帯電列上でトナーへの摩擦帯電付与量がゼロとなるキャリアの座標値 (ゼロ·ポイント·チャージ) をトナーの摩擦帯電能値とする考え方がある.但し,この評価法を用いるには,全ての測定装置と全てのトナーに対して共通に適用できる数値規定された摩擦帯電列が存在することが必要条件となる.今回,日本画像学会の標準キャリアを用いて,共通に適用できる数値規定された摩擦帯電列が定められるか,また,各トナーの帯電能を絶対値的に定められるかについて検討を行った.その結果,摩擦帯電列を数値規定するための基準トナーの選び方で標準キャリア群の座標間隔は変わるが,任意に定めた基準トナーを用いて標準キャリア群の摩擦帯電列座標系を数値規定した場合に帯電特性が線形で表せるトナー群に関しては,それらに共通に適用できる数値規定された摩擦帯電列が定められることがわかった.またその場合,トナー及び粉体の摩擦帯電能は,標準キャリア群の摩擦帯電列上のゼロ·ポイント·チャージ位置で絶対値的に規定できる可能性があること分かった.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本画像学会
次の記事
feedback
Top