日本画像学会誌
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論文
O/W型乳化重合エマルション特性が画質に及ぼす影響
高橋 茂樹吉川 貴裕
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2018 年 57 巻 4 号 p. 385-396

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抄録

インクジェット印刷方式は,ライン型プリントヘッドの躍進により幅広印刷,高密度化と連続生産性を強みとし,商業,帳票,最近では包装ラベル·パッケージにも用途を広げている.このように印刷物の高画質·高速化が進んでいるなかで,インクに対する要求特性も高くなっている.本研究より,O/W乳化重合エマルションを含有するインク性能は,エマルション自体の特性に大きく依存することがわかった.乳化エマルション含有インクを紙へ印字した後の画像濃度は,インク中の乳化エマルション量,即ち液滴中の粒子数 (固形分) が多いと,また,粒子径が大きくなると低下し,Tgが高いと高くなることがわかった.さらに,紙との相互作用を表すインク滴の広がり面積と光沢度の積が,画像濃度を予測する新たな指標となることがわかった.耐擦性はエマルションの成膜性が良いと向上し,乳化エマルションの添加量とポリマーのガラス転移点が成膜性に関係するものと考えられる.定着性については,乳化エマルションがカーボンブラック量よりも同じ,または多くなると紙に着弾したポリマーの絡み合いが増し,定着性が高まることがわかった.

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© 2018 一般社団法人 日本画像学会
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