日本画像学会誌
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論文
液晶を用いたエレクトロウェティングセルの特性
雲梯 隆夫永瀬 隆内藤 裕義
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2019 年 58 巻 3 号 p. 284-291

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抄録

エレクトロウェティング (Electrowetting:EW) は一般的には2液を用いて非極性オイルと電解液で構成されているが,極性を示すカイラルネマティック液晶を用いてEWの特性評価を行う.バンクで囲まれたEW-Cellは画素基板の表面は撥水層で覆われ,画素内はオイルと電解液で満たされている.電圧印加でオイルは弓型に変形しオイルの接触角が大きくなり画素が開く.様々な大きさの画素を作製し,画素の大きさと画素開口割合,および画素が開く電圧の関係を調べ,最適化されたEW-Cellを作製し光学特性評価を行った.EW-Cellは電圧印加すると画素の開き方は急峻な増加の後なだらかな増加を示し,画素サイズが小さくなると画素が開き始める電圧が高くなる特長を持つ.また電圧除去後大きな画素では閉じない画素が生じる場合があり,計算により説明できることを示した.あわせて,画素設計指針を示した.

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© 2019 一般社団法人 日本画像学会
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