日本画像学会誌
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Imaging Today
近年の食品3Dプリンタの発展
川上 勝古川 英光
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2019 年 58 巻 4 号 p. 434-440

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抄録

3Dプリンタは製造業において試作の手段だけでなく,立体造形を活かした独自の製法として発展しようとしている.食品3Dプリンタも,食品の開発という点で大きな可能性を秘めているが,現時点では食材の吐出技術の制限があるため,まだ発展初期の分野である.食品3Dプリンタの主な利点は,食品のカスタマイズ性,オンデマンド生産性と,複雑な形状を内部,外部に造形できる点である.我々は介護食の開発に食品3Dプリンタを応用している.柔らかい介護食は3Dプリントの食材として適しており,さらに複数のノズルを用いて,食品の内部に味や硬さなどの変化をつける技術を開発している.従来の食品の再現だけでなく,斬新な食品の開発に食品3Dプリンタが応用されることを期待する.

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© 2019 一般社団法人 日本画像学会
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