日本画像学会誌
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光誘起電荷分離を利用した有機蓄光システム
嘉部 量太
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2020 年 59 巻 3 号 p. 316-324

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抄録

蓄光材料は光エネルギーを吸収し,長時間にわたる発光を示す.既存の蓄光材料は全て無機材料で構成されるのに対し,我々は有機材料のみで構成される有機蓄光システムを見出した.有機蓄光システムは電子ドナー材料とアクセプター材料から構成され,励起状態ではなく電荷分離状態にエネルギーを蓄積する.レアメタルを必要としない,溶液から成膜可能,柔軟性と透明性の両立が可能など従来の無機材料では実現が難しい特色を有する.有機蓄光の発光はドナー材料のHOMO準位とアクセプター材料のLUMO準位差によって制御される.また,それぞれの材料の三重項励起状態が蓄光発光過程に影響する.蛍光ドーパント添加による発光色制御や長寿命化も可能である.

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© 2020 一般社団法人 日本画像学会
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