2023 年 62 巻 2 号 p. 100-107
エンボス紙などの表面凹凸に起因して発生する転写むらは,特にプロダクション機などで大きな課題となっており,様々な改善策が検討されてきている.このような転写むらの改善のため,転写むらを予測する技術の開発に取り組んだ.表面凹凸に依存する転写効率の変動と,二次転写圧力によって用紙を圧縮変形させて転写効率の変動を軽減する効果を再現するため,エンボス紙の圧縮変形解析と,一次元電界解析による転写力解析をベースとする転写性予測モデル・ツールを開発した.転写性の予測では,転写力から転写されるトナー数を計数して転写効率を算出した.非線形なエンボス紙変形の特徴を実験と解析から明らかにし,さらに加圧による用紙の変形によって転写性が改善する効果を示した.