日本画像学会誌
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論文
ポッゲンドルフ錯視の特性解明とタイル状ディスプレイ上の表示画像への影響評価
森田 愛生面谷 信
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2024 年 63 巻 3 号 p. 238-245

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抄録

ポッゲンドルフ錯視 (Poggendorff illusion) とは,斜め線の中央部が障害物に隠れると線がずれて見える錯視である.本研究では,斜め線を遮蔽する障害物の幅の影響と,障害物と斜線の角度の影響を明らかにするために被験者実験を行った.その結果,障害物の幅が大きいほど錯視率が大きくなることと,障害物と斜線の角度が小さいほど錯視率が大きくなることがわかった.本錯視の原因としては,障害物に隠された斜線を3次元空間で観察した際の視覚経験の蓄積が,2次元平面上で障害物に隠された斜線を観察したときに,違和感をもたらすとの仮説を紹介し,前記実験結果が本仮説を支持することを示した.一方,ポッゲンドルフ錯視の検討の応用分野として,タイル状ディスプレイにおける目地をまたぐ斜線の配置として,ポッゲンドルフ錯視発生率の予想に基づき斜線の開始位置を意図的にずらした図形において,ずらさない直線的配置の図形よりも観察者の違和感が減少することを確認した.

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© 2024 一般社団法人 日本画像学会
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