デジタル印刷によるアナログ印刷市場の置換えと新規導入が進み,化粧品の分野にもその影響が広がりつつある.本研究では,デジタルプリント技術を化粧に応用する際の課題について,既に市販されているインクジェット化粧プリンターを用いて解説を試みた.特に,従来のデジタル印刷は白地に対して彩色を加える方法が主流であり,印刷対象の欠点を修正する技術についてはあまり検討されてこなかった点に着目した.この観点から,ベースメイクに該当する技術であるインクジェット化粧プリンターOpteの技術を評価し,(1) 顔料の沈降抑制,(2) インクの液だれ防止,(3) 印刷画像の隠蔽性,(4) 使用材料の安全性及び環境適合性の重要性を確認した.これらの課題は,最新のインクジェットデジタル印刷技術においても依然として活発に研究されている項目であり,デジタル印刷の発展が化粧分野へのインクジェット技術の展開につながっていくことが改めて期待された.