有機EL (electroluminescence) パネルとロッドレンズアレイを組み合わせた有機ELプリントヘッドは,ポリゴンモータでレーザを走査するLSU (laser scanning unit) 方式と異なり,可動部が無く省エネと小型化に適した露光光源である.さらに有機ELパネルは発光素子を極めて高精度で高解像度に配列することが可能で,複数の画像形成ユニットを備える4連タンデム型カラープリントエンジンの色重ね精度向上に適した露光光源であると考えられる.
我々は1,200dpi (dots per inch) ピッチで発光素子を並べた有機ELパネルと,ロッドレンズアレイと組み合わせたプリントヘッドを2種開発し,その基本特性を把握するとともに電子写真プロセスへの適性を確認した.このうちの1種は,カラーMFP (multi-function peripheral) e-STUDIO2020ACの露光光源として搭載し,2022年7月に上市した.