日本画像学会誌
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Imaging Today
農業への画像処理応用事例
峰野 博史
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2024 年 63 巻 5 号 p. 592-601

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抄録

本稿では,JST (Japan Science and Technology Agency) さきがけ「情報協働栽培」研究およびJST創発「マルチモーダルフェノタイピングによる適応型情報協働栽培手法の確立」研究の支援を受け,情報科学的アプローチで研究開発を進めているIoT (internet of things)/AI (artificial intelligence) を用いた情報協働栽培支援技術について紹介する.技術革新の著しいIoTやAIにより,従来の経験と勘に基づいた栽培ノウハウを次世代に効率的に伝承し,新たな革新的農作物栽培手法の研究開発が期待されている.特に,施設園芸栽培や露地栽培に対して,非破壊・非侵襲で導入しやすい植物フェノタイピング技術やマルチモーダルデータを活用し,熟練農家の持つ暗黙知である「匠の技」をさらに洗練させるための研究開発が進められている.植物フェノタイピングとは,植物の草丈や発芽,開花,葉長などの表現型を把握し定量化する技術であり,世界的に研究開発が進んでいる.深層学習や基盤モデルを用いた複雑な生育データ解析も注目されており,日本もデータ解析や自動制御ソフトウェア研究で活発な研究開発が行われている.本稿では,当研究室で開発している情報協働栽培支援技術を,本学会関係者に参考になる内容を中心にまとめたものである.

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© 2024 一般社団法人 日本画像学会
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