2025 年 64 巻 3 号 p. 264-271
DNPは,加飾と表示機能を一体化することにより先進的なシームレスデザインを実現し,車内空間の新しいコンセプトを提供できる次世代加飾パネルを開発した.次世代加飾パネルは,必要な時のみディスプレイや操作スイッチを表示することができ,一番の特徴は光源色のカラーシフトがなく,鮮明に映像や文字を表示できる点にある.
近年,車載ディスプレイにおいても200 dpi以上の高解像度ディスプレイが増えてきており,より高精細な表示が求められている.DNPは,ディスプレイのピクセル構造に最適な次世代加飾パネルの微細開口構造を設計し,鮮明なディスプレイ画像を映し出すことに成功した.また,高輝度で必要な部分だけを明るくすることが出来るマイクロLED(light emitting diode)やミニLEDのようなローカル調光ディスプレイが登場したことで,より次世代加飾パネルとの親和性が高くなり,活用の場が広がってきた.
今後の展望として,次世代加飾パネルを自動車分野だけでなく,住宅や商業施設,家電業界等への展開も予定している.