1989 年 28 巻 3 号 p. 269-273
無金属フタロシニアンを樹脂中に分散した単層型電子写真感光体における顔料の純度と電子写真特性との関係について検討した.顔料の精製にはトレインサブリメーション法を用いた.昇華精製により顔料の純度が向上すると感光体の帯電電位および光感度は向上した.
光パルス法により求めたキャリア生成効率は1回の昇華精製により大きく向上するが,その後は,精製回数に対して減少を示した.昇華精製にともなう電子写真感度の変化はキャリア生球効率と輸送効率の両方の変化を反映していることがわかった.