電子写真学会誌
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色重ね現像によるカラー電子写真プロセス
&mdsh; “1ドラム色重ねプロセス” —
山本 肇高島 祐二国重 秀則斎藤 憙
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1989 年 28 巻 3 号 p. 284-290

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抄録
感光体上で直接イエロ・マゼンタ・シアンの各トナー像を重ね合わせフルカラー像を形成した後,紙に一括転写する新しいカラー電子写真方法“1ドラム色重ねプロセス”を開発した.この方法の技術ポイントは以下のようなものである.(1)トナー付着部と裸部の感光体の表面電位を等しく帯電するために,スコロトロン帯電器を用いた.(2)コロナ帯電時にトナー層ではなく,その下の感光体を帯電するために,静電容量の小さなSe感光体上にトナー層を薄く均一に現像する現像法を用いて達成した.(3)トナー像を通して感光体を露光し,次の静電潜像を形成するために,発光ダイオードを光源に用いY→M→Cの順番に像形成した.(4)色濁りを引き起こさずにトナーを重ね現像するために,直流電界飛翔現像法を用いた.
この方法により,1分間に8枚(A4)の速度でカラープリントが得られるとともに,装置の小型軽量化を達成することができた.
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© 1989 一般社団法人 日本画像学会
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