2019 年 19 巻 p. 36-42
本研究では,文献調査と愛知県の事例を参考に職域保健に関するデータを収集する際の課題を明らかにした。特定健診等の健康情報に係る業務についてアクティビティ図を用いて示した。また,愛知県を事例に県が特定健診情報を収集する流れをアクティビティ図で示した。その結果,職域保健に関するデータ収集における課題として,(1)職域保健では統一管理のためのDBの構築が困難,(2)職域の各種保険者の保健事業に対する認識の差,(3)データ提供による恩恵が還元される仕組みがない,の三つを指摘し,これらの課題について因果ループ図を用いて問題構造の整理を行った。