電子写真学会誌
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帯電制御剤の分子構造とトナーの帯電性:塩構造の帯電制御剤が水の電子状態に及ぽす影響と帯電性の関係
松井 乃里恵岡 孝造稲葉 義弘
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1991 年 30 巻 3 号 p. 282-292

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抄録
電子写真に使われるトナーにはその帯電性をコントロールする目的で帯電制御剤(Charge Control Agent;CCA)と呼ばれる物質を添加する.このCCAの帯電機構の解析をCCAトナーの帯電性の測定とCCAの分子構造からのコンピューター・シミュレーションから行った.
 このコンピューター・シミュレーションの前提として,CCAの帯電に水分子が関与する新しいモデル Water Dissociation Modelを提唱した.その計算結果と実測したCCAトナーの帯電量及び帯電極性の関係を明らかにして,このモデルの妥当性を検討した.
 その結果,
 1)化学構造を系統的に変えたCCAの帯電性とWater Dissociation Modelに基づくシミュレーション結果は非常に良く一致し,このモデルの妥当性を示した.
 2)CCAの帯電性を説明するには水分子の存在が重要であることを示した.
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© 1991 一般社団法人 日本画像学会
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