電子写真学会誌
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一成分非磁性現像方式を用いたクリーナレスレーザプリンタ
細矢 雅弘斎藤 三長石田 晴彦大高 善光遠藤 光治上原 勤
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1991 年 30 巻 3 号 p. 293-301

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抄録
反転現像法を用いた電子写真プリンタにおいては,現像工程で現像とクリーニングを同時に実行することができる.すなわち,感光体の露光部にトナーを付着させると同時に、未露光部に付着している転写残りトナーを電界の作用によって現像ローラ表面に吸引し現像装置内に回収する.反転現像プロセスでは,感光体の帯電工程において転写残りトナーが現像トナーと同じ帯電極性に揃えられるため,この様な現像同時クリーニングが可能になる.この考えに基づいて,小型で廃トナーの生じないクリーナレスレーザプリンタが実用化されている.より簡素なプロセスの実現を目指し,弾性導電ローラを用いた接触型一成分非磁性現像方式の適用を検討した.この現像方式では,導電性ローラが非磁性トナーの薄層を介して感光体表面に接触するため強い現像クリーニング電界を形成することができ,転写残りトナーによるメモリ発生を効果的に抑制できることが予想される.本報告では,帯電・露光工程と現像工程における転写残りトナーの作用を考慮して現像同時クリーニングをモデル化し,一成分非磁性現像方式を用いたクリーナレスプリンタのメカニズムとその特性を明らかにした.また,理論解析と実験の両面からこの現像方式の優れたクリーニング機能が示された.
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© 1991 一般社団法人 日本画像学会
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