電子写真学会誌
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光パルス照射による有機感光体の表面電位減衰 (III)
—積層型感光体の光パルス応答性—
児野 康則北村 孝司
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1993 年 32 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

我々は,積層型有機感光体の光パルス照射による電位減衰応答性について検討した.光パルスによる減衰曲線は電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)のキャリア輸送性,そしてCGLからCTLへのキャリア注入に依存している.光パルス減衰は(A)光パルス照射後の直線的減衰部分と(B)その後の緩やかな減衰部分の二つに分けられる.(A)は,キャリアのCTL中のパケット移動を意味する領域であるから,減衰はそのキャリアの速度と量に依存する.キャリア速度はCTLのドリフト移動度で決定され,キャリア量は主にCGL中のCTL界面近傍のキャリア量とCGL/CTL界面におけるキャリア注入により決定される.一方(B)の減衰はCGLのキャリア輸送性とCGL/CTLのキャリア注入に依存する.

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© 1993 一般社団法人 日本画像学会
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