電子写真学会誌
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論文
ソフトローラ転写を用いたカラーレーザプリンタの環境安定性
保坂 靖夫中尾 英之
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1998 年 37 巻 2 号 p. 156-166

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抄録

従来の電子写真プロセスでは,コロナチャージャを用いて感光体上のトナー画像を普通紙に転写していた.この転写方式は,環境湿度で普通紙と感光体上のトナー層の抵抗率が減少すると転写効率が低下し,普通紙に転写したトナー画像の画質が著しく劣化する.ここで報告する環境湿度に対して安定な転写効率を与える転写ローラは,スポンジローラ表面に導電層と抵抗層の樹脂層を設けた二重構造である.スポンジローラは感光体上のトナー固着を防止する2×104Pa以下の接触圧とし,抵抗性樹脂層は環境湿度に安定な転写効率を与える抵抗率4.2×109~8.5×1010Ω・cmで厚さ120μmと最適化してある.この転写ローラを搭載したカラープリンタを用い,温度20℃,湿度60%の常湿時から温度35℃,湿度85%の高湿時の広い環境湿度のもとで,転写効率85%以上を与える安定なカラー画像を実現した.この両環境条件下で作成したカラー画像間の各色ごとの色差は2.0以下に収まり,再現性の良いカラー画像を得た.

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© 1998 一般社団法人 日本画像学会
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