1997 年 15 巻 1 号 p. 18-35
高感度、低被曝を特徴とする三次元PETの登場により、一被検者において8回ないし10回程度の繰り返し検査が可能となった。その結果、被検者個々人における脳活動を検出できる可能性が生まれた。この新しい測定法を極小時間視覚刺激による認知実験に応用した。視覚刺激の提示時間と脳血流との相関関係についてSPMによる統計学的検討をおこなった結果によると、提示時間に対して正の相関を示す共通領域(右視覚連合野、一次視覚野のごく一部、一次運動野、補足運動野、左側頭葉第22野)が描出された。負の相関を示す共通領域は描出されなかった。