抄録
矩形パルス応答電流法の自律神経機能測定法としての生理学的意義を明確にするため、通常自律神経機能の指標とされる発汗と末梢血流量を同時連続測定して、初期最大電流(BP:Before polarization)及び後期安定電流(AP:After polarization)との相関を調べ、APは心理的変化の指標となることを確認し、BPは非接触施術効果の指標となる可能性があることを統計学的に明らかにした。さらに、非接触施術効果をより厳密に評価するため、盲検下の非暗示実験に加えて暗示的実験、施術者の入室実験、及び被験者の安静実験、以上四種類の実験を行ないBPとAPの変化を比較検討し、非接触施術によりプラシーボ効果とは異なる生理学的変化が受け手に生じることを示唆する結果を得た。