2000 年 18 巻 2 号 p. 395-399
日本古来の武道、遠当てにおける受け手の脳波を解析した。遠当てを行う二人をそれぞれ別室に離し、1試行80秒間内のランダムに指定された時刻に、仕掛ける側は「気」を発信する。受け手は電磁シールドルーム内にて「気」を感じた時刻(感受時)を押しボタンで知らせ、送信時、感受時のマーク信号を脳波と共にデータレコーダに記録した。3試行で1ランとし、休憩を挟んで15ラン、全45試行を行い、送信直前、送信中、送信直後、感受直前、の4箇所、各5.12秒間の脳波を解析した。その結果、受け手が気を受けたと思った時刻より、実際の送信時に、前頭部に拡がるα波の出現がみられ、その前頭α波は後頭α波と位相同期的であった。