2001 年 19 巻 1 号 p. 84-89
呼吸の仕方は、ある程度意識的に変化させることができる。これによって、他の不随意器官に影響が現れることが知られ、安静や瞑想に用いられている。本研究では、3種類の呼吸法;普通呼吸(何も意識しない通常の呼吸)、丹田呼吸(下腹部に意識を集中した腹式呼吸)、および腹筋振動呼吸(笑いと模倣した、呼気を短く強く数回に分けて行う呼吸)について、血中酸素濃度、皮膚電気抵抗、および脈波形への影響について調べた。特に、脈波形についてはフラクタル次元解析を用いて変化の様子を検証した。これらの検討により、呼吸法を変えることによって脈波形、ノイロ値、血中酸素溶存率は大きく変化し、他の器官に影響している可能性が見いだされた。