国際生命情報科学会誌
Online ISSN : 2424-0761
Print ISSN : 1341-9226
ISSN-L : 1341-9226
原著論文
長時間単純作業のストレス負荷に対する香り効果の脳波変化
木村 真人森 隆夫鈴木 博子遠藤 俊吉河野 貴美子
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 19 巻 2 号 p. 271-278

詳細
抄録

8名の健常成人を対象として, 内田・クレッペリンテストを用いたストレス負荷に対する香りの効果を脳波を用いて検討した。被験者には4種類の香り(ペパーミント, ベルガモット, ラベンダー, サンダルウッド)とコントロールとして空気が暴露された。ストレス負荷によりα帯域の徐波成分が増加し, 皮質の非活性化が起こることが示唆された。ストレス負荷後の香り刺激において, コントロールでδとθ帯域の振幅が増加したが, 他の香りでは徐波の増加はなかった。ペパーミントではβ_1とβ_2帯域の振幅が他の香りに比較して有意の増加していた。これらの結果から, 香り刺激はストレス負荷後の覚醒度の低下を防ぐ効果のあることが示唆された。とくにペパーミントは興奮作用のような覚醒度の上昇を示した。

著者関連情報
© 2001 国際生命情報科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top