抄録
本研究では、代替医療的な介入の一種である「イメージ誘導を用いたりラクセーション」が成人健康人に及ぼす生理心理学的効果を検討した。成人健康人25名(25歳〜59歳・平均年齢38.3歳、男性6名、女性19名)を対象とし、心理学的指標として、多面的感情状態尺度(MMS)短縮版(40項目)と、個人が持つイメージ鮮明性を測る尺度であるQMI短縮版(35項目)を用い、セミナー前後の2回と一週間後2回の計4回、自記式質問票を用いて測定した。生理学的指標は、ストレス関連ホルモンの一つである唾液中コルチゾールを測定した。日常生活に瞑想呼吸法を取り入れている群では、通常時にも否定的感情が低い一方で肯定的感情が高くコルチゾールが低い傾向にあり、イメージ鮮明性も高く、リラックスの度合いが高いことが示唆された。