2007 年 25 巻 1 号 p. 169-174
物理乱数発生器を用いたミクロPK実験は、観測問題における観測者の意識の役割を考える上で重要な意味を持っている。著者らはブラジルと日本の集団的宗教儀礼(とくに治療儀礼)などでREG(RNG)を用いた「Field REG」または「Field Consciousness」の計測実験を続けてきた。本論文では、ある程度の肯定的な実験結果が得られていることを概観する。しかし、距離による効果の減衰や、参加者の人数との相関などの特性については、まだ明確な傾向は確認されていない。定性的には、REG出力の偏りが儀礼の「盛り上がり」に対応するかのように山形に上昇-下降するパターンがみられることがあるが、これは従来のPK実験における「下降効果」に類似している。そもそもField REG自体が探索的な性質を持った実験であり、今後、さらなるデータの蓄積と、適切な分析方法の確立が望まれる。