2018 年 36 巻 1 号 p. 28-
かつて日本では黒田藩の貝原益軒が、中国最古の医学書である黄帝内経をもとに、養生訓を編纂している。今日に至ってもその実践的養生法は、現代医学に通ずるものである。現在、日本の近代的医療に於て「未病を治す」という考え方が取り入れられる様になってきた。黄帝内経の基本は未病を治すことが中心と考えられるが、その秘術の行方は不明とされていた。ところが、この秘術は中国では秘法と呼ばれるもので、実践的に伝承され様々な病気の予防と改善に効果をもたらしている。縁の中で日本人では初めて火療法を伝授され、日本での紹介をする事になったが、時を経て火療法は病気の因子を焼却する領域より、更なる進化を遂げることになり、生命の深遠にあるカルマと呼ばれる負のエネルギーを抽出し、その姿を具現化することとなった。その結果、難治的な症状が完治する場合も起こり始めた。今回は、その様々な臨床例よりユニークな現象を報告したい。