国際生命情報科学会誌
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研究発表
近赤外線分光法(NIRS)によるうつ病の左前頭葉活動の低下
木村 真人 秋山 友美肥田 道彦下田 健吾
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2018 年 36 巻 2 号 p. 111-

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抄録
最近の近赤外線分光法(NIRS)の研究では、言語流暢性課題によるうつ病の前頭側頭の機能低下が示されているが、それぞれの抑うつ症状に影響を及ぼす障害領域は依然として不明である。我々は多チャンネルNIRSを用いて、うつ病の言語産生課題中の前頭側頭機能を検討した。さらに、どのような抑うつ症状が、前頭側頭機能に影響するのかを明らかにすることを目的とした。この研究には177名の大うつ病患者と50名の健常対照者が参加した。研究は、日本医科大学千葉北総病院倫理委員会の承認を受け、被験者に十分な説明を行った後実施した。被験者は、言語流暢性課題中の脳活動を比較された。うつ病患者は健常対照者に比較して両側前頭側頭領域の有意な低活動を認めた。抑うつ気分と興味や喜びの喪失といった必須の症状を持つ群は、うつ病が寛解して残遺症状のある群と比較して、左外側前頭側頭の有意な低活動を認めた。我々の結果は、言語流暢性課題による両側前頭側頭領域の機能低下を示した。さらにこの課題による背外側前頭前野を含む左前頭側頭の機能低下は、患者が抑うつ気分と興味や喜びの喪失から回復したかどうかを反映している可能性を示唆している。
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