国際生命情報科学会誌
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特別講演
歯科領域における全人的医療の実際
小山 悠子
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2019 年 37 巻 2 号 p. 168-

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抄録
東洋医学は、病気そのものを対象とする西洋医学と違って、「病を抱えた一人の人間として、その人の心理・社会的背景なども含めた個々人にあった総合的な対応」を行う全人的医療である。我が国において、独自に発達した医学である漢方も、まさに同じ理論体系の全人的医療である。 これらの全人的医療を理想として、歯科においては1983年に開業医が主体となり日本歯科東洋医学会が設立されて今日に至っている東洋医学をベースとし、代替医療を併用した統合医療的な考え方の診療を推進している。しかしながら、国民健康保険制度とのからみや西洋医学偏重の医学教育からの偏見でなかなか浸透しにくいのが現状である。 歯科診療は、医師と患者という他人である別個の人間同士が顔面を近接させて、「削る」「刺す」「切る」など機械論的治療を行わなければならず、患者に恐怖不安感を与えやすい特殊性のある診療科目であるため、「良好な術者-患者関係」という“場”を作り出すことが非常に大切である。 東洋医学的療法に始まる数々の代替医療を臨床に導入することは、心身に快適状態をもたらし、良好な診療の“場”を作り出すことができ、さらに鎮痛作用による疼痛管理やホメオスタシスによる全身管理という点からも、歯科診療には欠かせないものと言える。
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