国際生命情報科学会誌
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特別講演
精神分析の今日的意義
-精神分析的精神療法の実践から考える-
遠藤 幸彦
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2019 年 37 巻 2 号 p. 169-

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抄録
精神分析における無意識の概念、その治療作用などをめぐって、多くの誤解が存在している。その一方で、それらを理解するのは容易なことではない。 そこで、本講演のテーマである、精神分析の今日的な意義について論じる前提として、何点かを確認しておきたい。すなわち、S.フロイトが創始した精神分析の精神療法史における位置づけ、時代状況、さらには精神分析に対するさまざまな批判などである。たとえば、近年のEBM(evidence-based medicine)の潮流は、精神分析の諸学派の動向に少なからず影響を及ぼしてきた。短期精神療法の効果が実証的に示される一方、精神分析などの長期精神療法の効果は、最近になって示され始めているところである。 こうした事態をもどかしく感じる者もあれば、そもそもそうした評価では捉えきれないものが精神分析療法にはあると信じる者もある。またある者は、むしろそこに本質があるのだ、と考えるであろう。 もとより演者は、以上のような事柄について、大局的、俯瞰的に文献を渉猟し、まとめあげるような力はない。あくまで、一臨床家として、私自身の身近な臨床経験を素材として照らし合わせながら、いくつかの論点を取り上げるものである。論を進めるにあたり、学際的な知見も参照しながら、やや飛躍した議論も織り交ぜてみたい。とりわけ、治療効果をめぐる議論は、臨床における倫理にまつわるテーマにも関連するものとして、いくつかの動向を踏まえながら強調したい。
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