労働科学
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Print ISSN : 0022-443X
研究ノート
高年齢労働者の活躍を促す取り組みに関する事例研究
多田 恵松田 文子
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2013 年 89 巻 4 号 p. 149-153

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抄録

わが国では,近年の少子高齢化の進行を踏まえ,2013年4月からの新しい法律により,事業主には希望者全員を65歳まで継続雇用する義務が生じることとなった。現代の高齢労働者は,まだまだ活躍できる貴重な戦力である。K社においても,高齢者労働者には,若年層に対する技術および技能の伝承や,業務運営の裏方に至るまで多岐にわたる活躍が期待されているが,再雇用で働く60歳以上の労働者,および現在50歳代社員への質問紙調査やインタビュー調査から,働くことに対するモチベーションの維持向上の困難さが浮き彫りになった。その解決策の1つとして,一部の事業所において,高年齢労働者の活躍や意気込み等の 「見える化」 を推進し,社内ポータルサイトで紹介し称えることを試みている。これら高年齢労働者の個々の得意分野の 「見える化」 に加え,身体機能の 「見える化」 を進めることや50歳の時点で60歳以降のキャリアプランを事業所と本人の双方向によるコミュニケーションで考えておくことの重要性が示された。今後は,社内での水平展開を図るとともに,高年齢労働者に更なる活力を与える数々の 「見える化」 に産業界全体が取り組むことが望まれる。(図5,表1)

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© 2013 公益財団法人 労働科学研究所
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