労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
原著
経営状況の追跡調査による “技能経営” の有効性の実証的検討
中村 肇高野 研一
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2014 年 90 巻 3 号 p. 105-114

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抄録

わが国の中堅中小ものづくり企業の経営手法の1つとして著者らが提案している 「技能を活かした経営戦略(“技能経営”)」 について,技能経営の実施レベルが高いと判定された企業の追跡調査によって有効性を把握した。技能経営の実施レベルが高いと判定された企業について企業情報データベースより得られた3~8年後の利益との関連を分析した結果,技能経営を実践している企業は同種の企業全般と比較して黒字企業の割合が大きいこと,技能経営の実施項目の中でも 「自社の技能の広範かつ継続的なアピール」 を行っていることが中期的な利益状況に好影響を与えていること等が明らかとなり,技能経営が有効な経営のあり方であることが示唆された。(図4,表6)

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© 2014 公益財団法人 労働科学研究所
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