労働科学
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長距離運航乗務員の疲労に関する質問紙による予備調査
佐々木 司奥平 隆
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2017 年 93 巻 4 号 p. 116-133

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抄録

222名の運航乗務員が疲労についての予備調査に回答した。疲労は長距離乗務,シングル編成,深夜乗務,離発着時にWOCLがある乗務,時差乗務,早朝乗務,宿泊を伴う乗務の7項目から分析された。運航乗務員は長距離乗務に強い疲労を感じていた。また中距離のアジア乗務においても疲労が強い場合は,その前後に長距離乗務が配置されていた。シングル編成で強い疲労が生じていた。乗務前中後に十分な仮眠が取れないため夜間乗務に負担と感じていた。時差乗務では,睡眠障害,倦怠感,生体リズム変調を強く感じていた。運航乗務員は乗務前に体調を管理しようと努力するが,必ずしも成功しないと回答した。そのため早朝乗務前は2日以内,深夜乗務後で2日以上,欧州や北米路線乗務後では4日間のインターバルを望んだ。乗務前に眠れた場合は143分,眠れなかった場合は207.4分の仮眠を乗務中に分割で取りたいと回答した。(図3 表6)

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