労働科学
Online ISSN : 2187-2570
Print ISSN : 0022-443X
原著
難病患者および介護者の就労に関する患者ADLの影響についての検討
~平成26年度鳥取県特定疾患医療受給者就労実態調査より~
伊藤 悟佐々木 貴史原田 孝弘林 幸子瀧川 洋史中島 健二古和 久典花島 律子
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2018 年 94 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

アンケートにて鳥取県における難病患者の就労状況を調査した。平成26年度に,特定疾患治療研究事業対象56疾患,4,388名を対象に調査し,2,364人から回答を得た。平均年齢は62.3歳で,男女比1:1.38であった。modified Rankin Scale(mRS)を用いたADL評価では,介助不要のmRS0〜1が51.1%,介助を要するmRS2以上が43.5%だった。全体の40.3%が就業中で,21.0%は病気を理由に失業していた。患者ADLがmRS2以上になると患者の就業率が有意に低下し,mRS3以上になると介護者の就業率も低下していた。患者のADLに応じて就業支援を調整する必要がある。(図5 表4)

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© 2018 公益財団法人 労働科学研究所
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