抄録
携帯電話,ノートパソコンなどは現在社会の必需品である。これらの携帯機器類の電源にリチウムイオン2次電池が用いられている。リチウムイオン2次電池は旭化成の吉野彰により発明された日本発の技術である。本論文では,リチウムイオン2次電池の発明の経緯,事業開発,事業展開について論じることとする。リチウムイオン2次電池は,携帯機器の電源にとどまらず,ハイブリッドカー,電気自動車などの電源としても,大きな期待が寄せられている。日本でなされた技術開発が国際競争の場でいかにして競争優位を確保するかがわが国の最大の課題と思われる。