理論と動態
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そして「父」になる
出生後認知による日本国籍取得手続きから見る戸籍制度
朴 沙羅
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キーワード: 国籍, 戸籍, 血統主義
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2018 年 11 巻 p. 25-40

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抄録

 本論文は生後認知による日本国籍取得手続きを対象に、日本人たる家族とはいかなるものであるべきだと考えられているかを論じる。2008年6月、最高裁判所大法廷は認知された子と準正にとどまる子との間に日本国籍の取得に関する区別を生じさせていたのは、憲法第14条に違反する差別であると示した。その結果、改正国籍法では、日本人父の子は生後認知によっても日本国籍を取得することが可能となり、国籍法の前提とする家族像の中に、法的関係によらない家族も含まれることになった。しかし日本国籍取得の手続きを行う際には、父による認知の真偽を明らかにする手段として生物学的手段(DNA 鑑定)は採用されていない。では、改正国籍法の想定する家族とはいったい何に基づいているのだろうか。国籍法改正時の議論と、生後認知による日本国籍取得手続きの支援および日本国籍取得者の家族への聞き取りから明らかになったのは、以下の3点である。まず、国籍法における血統とは法的(戸籍上の)関係を指すこと。2点目に、認知を自然的関係によってのみ可能とするのは、民法の定める家族像と抵触する「誤った風潮」と考えられたこと。3点目に、法的関係・自然的関係のいずれにも基づかない認知の審査は、家族の成立に詳細に立ち入った、時間と手間のかかる手続きを要求すること。改正国籍法は確かに、事実婚カップルによる家族もまた、国籍法の前提とする家族像に含むことになった。それによって家族の結びつきが実体的かつ真正なものであることを、国家に示す作業が必要になったのである。

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