2020 年 13 巻 p. 98-115
筆者は、歴史社会学的に在留資格「定住者」にアプローチすると、外国人の人権を限界付けている昭和53年10月4日最高裁大法廷判決昭和50年(行ツ)第150号「在留期間更新不許可処分取消請求事件」(以下、「マクリーン判決」)も相対化できると考えている。LGBT外国人に出ている退去強制令に関して、筆者が2020年6月30日に東京地裁に提出した原告側から書いた意見書から、具体的にこのことを示そう。ここでは日本人パートナーとの同性婚も問題になる。日本は同性婚を認めていないが、同性婚を立法化するかどうかとは別に、同性婚も含む日本人と外国人の家族を適切に保護しうる可能性は残されている。以下の意見書は、このような発想から在留特別許可の判断における法務大臣等の裁量の範囲の逸脱・濫用を論じたものである。