2009 年 2 巻 p. 58-75
本論では、「呉市外国籍市民意識・実態調査」のデータを用いて、呉市に居住する新来外国人の社会関係について考察を行う。調査の回答者は、在日コリアン、研修生・技能実習生、南米系外国人、その他の4つのグループから構成されており、在日コリアンを除く3つのグループについて分析した。
親しい関係で日本人以外が多い者は3割程度であり、近隣の日本人とは4割程度が親しくつきあっているが、団体や活動への参加率は全体的に低い。団体や活動への参加において、国際交流のイベントよりも地域の行事への参加率が高いことは、重要な知見である。
相談相手は、「日本にいる同国人の友人・知人」を挙げる者の比率が高く、特に研修生・技能実習生でそれが顕著であった。研修生・技能実習生を除けば、家族・親族は上位に挙げられることが多く、相談相手として利用可能な場合に最も優先順位が高いと考えられる。研修生・技能実習生と南米系外国人は、派遣業者や研修組合への依存度の高さが確認され、南米系外国人については、滞在が長期化したり日本語能力が向上しても、派遣会社への依存度が下がらないことも明らかになった。また、南米系外国人や研修生・技能実習生のフィリピン人は、「教会・寺院」が相談相手として一定の役割を担っている。日本語能力や滞日年数、呉市の居住年数が近隣の日本人とのつきあいや相談相手の選択に及ぼす影響はあまり見られず、グループによる差異が際立つ結果となった。